凪良ゆう先生は、数多くのBL作品を発表されていますよね
どれも素敵な作品ばかりで、おすすめを絞りきれません
なので、今回は、「苦しむ主人公たち」というテーマで、おすすめ3作品を選んでみました
苦しんでいることが、おすすめって、ちょっとどうかな？とも思いますが
ちなみに、ここでいう苦しみは、恋愛以外の要素になります
生きること、他人との関わり、自分の過去・・・そういった人間としての苦しみ、もがく人たちが丁寧に描かれた作品を選んでみました
みなさんのお気に入りの1作を見つける参考にしてもらえたら、嬉しいです
凪良ゆうのおすすめ3作品
環境や過去の出来事などに、主人公たちが苦しんでいる姿は、読んでいても辛いです
でも、そうした辛い状況を懸命に乗り越えようとする登場人物たちに、読む側は勇気をもらえるんだと思います
凪良先生の作品の中で、特におすすめは、以下の3作品になります
- 「おやすみなさい、また明日」
- 「ここで待ってる」
- 「天涯行き」
どれも、まずタイトルが良いですよね
作品を読む前だと、「どういう内容なんだろう？」と想像力が刺激されるし
読み終わった後で、あらためてタイトル読むと、「なるほど・・・」って思えます
あとは、どの作品も、表紙絵が素敵です
主人公たちの関係を、1枚の絵で雄弁に表していると思います
そこも、素晴らしいなあと思っているところです
1作ずつ、見ていきます
なお、それぞれの人物が苦しんでいる内容については、触れていません
お互いを思うあまりに踏み出せない「おやすみなさい、また明日」
小説家のつぐみさんが、下宿先の管理人である朔太郎（さくたろう）さんに好意を持つものの、受け入れてもらえない
言葉に出来ない互いの状況を推測しながら、配慮しながら、受け入れてもらいたいつぐみさんと、受け入れられない朔太郎さん
いつも出す答えは違うけど、どちらも自分と相手にとっての幸せとは何かを悩んでいるのは同じ
大切な人だからこそ、幸せになってほしくて苦しむ2人が、不器用で愛しい物語です
小山田あみ先生の表紙が、2人の関係をよく表していると感じます
2人の視線は合っていないけど、心がつながっていることが、伝わってきます
美しい表紙に彩られた美しい作品です
人は、守り守られ生きるもの「ここで待ってる」
空手道場の師範である成田（なりた）さんと、子持ちの飴屋（あめや）さん
ゲイバーで遊びの相手として出会った2人が、道場の先生と教え子の父という立場で再会したことから始まる物語
成田さんの真面目さ、誠実さが、頼もしくて格好良いです
1人で妻子を守る飴屋さんを支えようとする姿も、いじらしい
頼ろうとしない飴屋さんの事情もわかるので、不器用だと思いつつ、応援したくなる2人です
あと、この作品は、2人以外の登場人物も良い味を出しています
成田さんのおじいさんや、飴屋さんの奥さんである、のばらさんも、息子の論（ろん）くんも、みんないい
2人の恋愛物語だけど、大きな家族の物語といってもいいお話だと思います
こういう家族のあり方も１つなんだろうなと思える作品です
孤独な2人にとっては、お互いが救いであり希望「天涯行き」
旅行中の高知（たかち）さんが、偶然出会った遠召（とおめ）さんの家に泊めてもらうことになることから始まる物語
お互いに秘密を抱え、人と交わることに恐怖を感じながら、それでも相手を求めずにいられない姿が痛々しいです
でも、生きる希望を失いそうな2人が、相手がいることで前を向こうとする
そうした、2人の強さと弱さ、立ち向かったり逃げたりする姿が、人間らしくて、物語に奥行きを与えていると思います
なお、3作品の中では、性描写がやや多めなのですが、お互いの心がほどけるためには必要だったんだろうと思います
シリアスな場面もあり、全体に決して明るい話ではないのですが、暗いだけの話でもありません
遠召さん行きつけの豆腐屋さんが、朝から瓶ビール出してくる謎なお店で、物語の息抜きになっていて面白いスパイスになっています
恋愛というより、生きていくために相手が必要ーそんな2人を読みたい方にオススメの作品です
まとめ
凪良ゆう先生のBL作品の中から、特に主人公が恋愛以外で苦しんでいるもので、おすすめを考えてみました
少しでも参考になったら嬉しいです
