凪良ゆう先生のBL小説は、絶版になっているものが何冊もあります
名作がたくさんあるのに・・・と、ファンとしては残念でした
そうした中、「積木の恋」が、新装版として復刊されました
「積木の恋」は、紙本は絶版となっており、電子書籍のみ販売されていた作品です
今回、紙本としても再販されて書店に並び、とても嬉しかったです
少しでも興味を持たれたら、ぜひ1度読んでみてください
「新装版 積木の恋」とは?
「積木の恋」は、元々2011年にプラチナ文庫(プランタン出版)から発売された作品です
その後、版元のプラチナ文庫は、2019年8月に休刊になりました
それに伴い、「積木の恋」は、紙本としては絶版となり、電子書籍のみの販売となっていました
こうした経緯を経た作品が、2024年2月に新装版として再発売されました
初版の本編に加え、短編「ありがとう」が追加収録された形です
また、同時にコミック版も発売されるという豪華な復活劇となりました
さらに、元々文庫だったものが、今回は小説もコミック版も単行本サイズ
バージョンアップして、帰ってきた感じです
※下記の作品が、プラチナ文庫で出版されている旧版です
一部内容が異なりますので、ご留意ください
「新装版 積木の恋」あらすじ
加賀谷聡は、研究室に勤務している医師です
ただ総合病院の長男でもある加賀谷は、そんな境遇を重苦しく負担に感じていました
そうした中、五十嵐蓮という若く美しい男性と知り合います
借金を返しながら懸命に生きている漣に、すぐに惹かれた加賀谷でしたが・・・
「新装版 積木の恋」感想
旧版を読んで、すごく好きだった作品なので、再販されてとても嬉しかったです
紙本として、本屋さんに並んでいるのを見る喜び!
凪良ゆう先生ファンとしては、先生が一般文芸で有名になったからこその再販だろうなと
そう思うと、先生が頑張ってこられた証、みたいにも感じ、感慨深いものがあります
末永く、本屋さんに並びつづけてほしいです
作品内容としては、加賀谷さんも、漣くんも、お互いに出会えてよかったなあと思います
孤独な2人が、お互いを愛することで、癒され強くなっていく
その過程を、心の中で「がんばれー」って応援しながら読んでいました
で、読み終わった後、自分も、もうちょっと頑張ろうかなって思えるような
そんな力をくれる名作です
あと、2人が仲良くなる女性2人ー万里さんや可南子さんーも、とてもステキでした
4人の仲間意識というか、友情もすごくいいなって思いました
「積木の恋」が気に入った方には、「天涯行き」もおすすめです
「積木の恋」は、裏表紙あらすじにもあるように、漣くんが過ちを犯しているんですよね
その背景とか、その過ちとどう向き合うかという点も、本作のポイントです
そして、そうした点への凪良ゆう先生の問題意識は、「天涯行き」にも表現されています
もし「積木の恋」がお気に召したら、ぜひ「天涯行き」も試してみてください
決して明るい話ではないですし、読み手を選ぶ作品ですが、こちらも名作です
痛かったり、重かったりしますが、それ以上に深い感慨を得られる作品です
※「積木の恋」には、「お菓子の家」という作品の登場人物が少し出てきます
もちろん「お菓子の家」を読んでなくても、全然問題ないレベルで、ちょっとだけ登場です
ただ本来、関連本をオススメするなら、「お菓子の家」かなと思います
でも、残念ながら絶版です
紙本としてはもちろん、電子書籍でも販売されていません
同じプラチナ文庫の作品なんで、せめて電子書籍だけでも販売してほしいところです
こちらも復刊を待ってます
孤独な2人の人生をじっくり味わいたい方におすすめの作品です
- 生い立ちの異なる2人が、相手を理解しようと心を砕く姿が、不器用でいじらしいです
- 愛しながらも、依存せずに自立することで、強くなっていく2人が愛しいです
- 孤独な2人が懸命に人生に向き合っている姿を、丁寧に味わいたい方におすすめです