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【大人の恋】社会人BL:凪良ゆう「薔薇色じゃない」の感想・おすすめ

imaged by Seksak Kerdkanno from Pixabay

過去の恋愛で、後悔していることは、ありませんか?

「あの時、自分がもっと頑張れば、別れずにすんだかもしれない」

「あの言葉さえ、言わなければ」

「今なら、もっとうまくやれるのに」など

本作品は、大学2年で知り合い、大恋愛の末に別れ、再会した2人の「その後」が描かれています

再会した後、2人は、付き合っていた当時を、繰り返し思い出します

そして、当時の自分の至らなさを恥じ、相手への不寛容さを反省します

その上で、恋心は、なくなったのか、これから友人として付き合っていけるのか、何度も悩みます

傷つくことに怯えながら、過去を反省し、未来の幸せを諦めない2人の強さと覚悟に惹かれます

社会人として自立する2人が、恋に悩む姿を、じっくり見守りたい方に、おすすめの作品です

作品のあらすじ

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物語の主役は、水野光流(みずの ひかる)さんと、阿久津慧一(あくつ けいいち)さん

大学2年で知り合い、すぐに恋に落ちた2人は、社会人になり同棲を始めます

しかし、仕事が多忙になるにつれて、いさかいが増え、ささいな口論がきっかけで別れてしまいます

1年後、仕事相手として再会した2人は、今度は友人として付き合うようになりますが・・・

※ルチルレーベル創立20周年、ルチル文庫創立11周年を記念して、刊行された作品です

(2016年6月30日 幻冬舎コミックス)

作品の感想

imaged by Oldmermaid from Pixabay

現実的な、大人の恋のお話です

物語は、2人が20歳で出会うところから始まっていて、最後は35歳まで

足かけ15年

その長い期間の2人の心の変化が、繊細で丁寧な文章で描写されていて、とても味わい深い作品でした

奇想天外なことは起きず、地味といえば、地味なんですが、そこは特に気になりません

「地味」というより「リアル」って感じです

特に、フードスタイリストを目指す光流さんと、会社員の慧一さんが、徐々にすれ違っていくのですが

少しのすれ違いが、徐々に重なって、距離が出来ている感じが、リアルだなと

ぶっちゃけ、男同士のことは、正直わかりません

でも、現実って意外とこんなもんじゃないかなって、思わせる説得力がありました

スタイリッシュな奈良千春先生のイラスト

imaged by Gioele Fazzeri from Pixabay

表紙の2人が、格好良くて、かわいくて、大好きです

相手が気になるのに、意地張ってそうな、2人の表情が、特に愛しいです

本文中の挿絵も、何枚も力強い筆致のものがあって、とても素敵でした

どのイラストも、一見、全体としては温度が低そうなんですよねえ

でも、描かれた細かい部分、特に目や手をみると、奥に熱い気持ちがありそうと想像できてしまう

複雑な気持ちを抱えるキャラクターが、奈良先生のイラストで、より立体的に感じられました

参考:紙媒体は、四六版で、読み応えのある作りになっています

imaged by Kenny Eliason from Unsplash

凪良先生のBL小説は、文庫での出版が多く、新書版も数冊しかありません

その中で、本作は、珍しく四六版で出版されています

レーベル創立の記念本だから、特別に製作されたものってことみたいですが

凪良先生の作品を、大きい版で読めるのは、とても貴重だと思います

電子書籍で読むなら関係ないかもしれません

ただ、装丁も美しいので、可能なら紙媒体で読んでいただきたい作品です

一途な大人の恋を丁寧に味わいたい方に、オススメの作品です

  • 大学2年で知り合い、大恋愛の末に別れ、再会した2人の「その後」が描かれています
  • 大人になり、傷つくことに怯えながらも、幸せを諦めない2人の強さと覚悟に惹かれます
  • 自立した大人が、一途に恋する姿をじっくり味わいたい方に、おすすめの作品です