学生時代に付き合っていた人と、大人になって、偶然再会した、なんてこと、ありますか?
もしあるとすれば、再会した時、嬉しかったでしょうか?気まずかったでしょうか?
再会した後、2人の関係は、どうなりましたか?
本作は、高校時代に気まずい別れをした2人の物語です
自立した社会人に成長した2人が再会し、1度は諦めた恋を取り戻そうと、もがきます
一途な思いを応援したい方に、オススメの作品です
なお、職場は、新聞社
舞台は、日本と香港です
新聞記者の仕事や、香港の生活に、興味がある方にも、オススメの作品です
作品のあらすじ
高校1年の鳥羽一束(とば いつか)さんと、3年の弓削圭輔(ゆげ けいすけ)さん
帰国子女の一束さんは、クラスに馴染めず、人気のない旧校舎で時間をつぶします
そこに、圭輔さんが入ってきて、2人は仲良くなります
しかし、ある出来事をきっかけに、気まずくなり、会わなくなってしまいます
その後、社会人になった一束さんは、香港の職場で、圭輔さんと再会し・・・
(2011年3月20日 幻冬舎ルチル文庫)
作品の感想
切なくて、キュンキュンして、うまくいけーって応援して
そして、読んだ後には、しみじみと、読めてよかった~と、大きな満足感が味わえる作品です
もう何回読み返したか、わからないぐらい、繰り返し読んでます
2011年発売だから、もう10年以上前の作品になるんですね
1997年の香港返還が文中に出てきて、今とはちょっと時代が違う部分もありますが
文章がキレイで、透明感があり、内容も普遍的で、全然色褪せない作品だと思います
ずっと読み継がれていってほしい作品の1つです
透明感のある青石ももこ先生のイラスト
まず何より、この作品、一穂先生の文章が美しいのですが、同じぐらい、イラストも素敵です
青石ももこ先生の描く2人が、まあ、素晴らしいです
透明感も憂いもあって、無邪気さと色気もあるんですよー
こんなに、一枚のイラストで、たくさんの感情を表現できるなんて、ホントにすごいですねえ
特に表紙絵と口絵の圭輔さんの目と手が、色っぽくて、好きです
青石先生は、中国在住のイラストレーターの方だそうですが、最近は活動されていないのかな
HPやX(旧twitter)の更新が止まっているようで、寂しいです
またどこかで、先生のイラストに、巡り合えたらいいなと思います
「is in you」は、「新聞社シリーズ」と呼ばれる作品群の1冊です
一穂ミチ先生のルチル文庫作品には、「新聞社シリーズ」と呼ばれる作品群があります
明光新聞社という新聞社で働く記者たちが、主人公のお話たちです
本作の圭輔さんが働いている新聞社です
本作「is in you」を含めて4冊ありますが、それぞれは独立した作品です
どれから読んでも、大丈夫ですし、もちろん本作だけ読んでも、大丈夫です
でも、本作が気に入った方には、「off you go」を、ぜひ読んでいただきたいです
本作で登場した、圭輔さんの前の香港支局長、佐伯さんの物語です
圭輔さんと一束さんのまっすぐな恋とは全く違う、大人の物語です
2冊を、比べて読むと、一層味わい深いです
「新聞社シリーズ」には、掌編詰め合わせ「ペーパー・バック 1・2」があります
一穂先生は、新聞社シリーズの登場人物たちを題材に、たくさんの掌編小説を書かれています
(掌編小説:短編小説よりも、さらに短い作品)
主に同人誌で発表されたものを、まとめた作品集が「ペーパー・バック」です
1と2の2冊あり、どちらにも、圭輔さんと一束さんの作品が、掲載されています
他のカップルの作品もたくさんあるので、ちょっと探しにくいのが難点ですが、
本作が気に入った方は、余韻に浸りつつ、こちらも読んでみては、いかがでしょうか?
一途に思いを募らせる2人を、応援したい方におすすめの作品です
- 日本の高校で知り合った2人が、13年後に香港で再会する物語です
- 自立した社会人に成長した2人が、1度は諦めた恋を取り戻そうと、もがきます
- 一途な思いを応援したい方に、オススメの作品です
- 新聞記者の仕事や香港の生活に、興味がある方にも、オススメの作品です