未来で、アンドロイドと人間が恋することが、できるようになると思いますか?
もしかしたら、100年ぐらい先の世界なら、アンドロイドにも心が生まれて恋することも可能かもしれない
本作を読むと、そんな風に思えてきます
でも、元々違うもの同士ですし、ハードルはいっぱいあって、辛いことも多く起きます
そんな数々のハードルの中、お互いを一生懸命思いやる2人が健気で、いじらしくなります
人間とアンドロイドの切ない恋を、読んでみたい方にオススメの作品です
「拝啓、百年先の世界のあなたへ」あらすじ
小説家として挫折した一ツ木なつめ(ひとつぎ なつめ)さん
なつめさんの元に、ある日、キースと名乗る人物が、突然現れます
キースは、未来から来たアンドロイドで、なつめさんに小説を書かせるためにやってきたと話します
2度と小説は書けないと思っているなつめさんは、キースの言葉に反発しますが・・・
(2020年9月30日 徳間書店キャラ文庫)
「拝啓、百年先の世界のあなたへ」感想
美しい物語でした
最初、なつめさんがあまりに人生に後ろ向きで、蹴飛ばしたくなっちゃいましたが(苦笑)
キースが、健気で一生懸命で、とても感情豊かな素敵なアンドロイドで
そんなキースと過ごすうちに、なつめさんが、強く前向きに変わっていくのが、良いなあと思いました
近所の中野さんも、なつめさんの姉の楓子(ふうこ)さんも、あたたかくて良い人たちで
嫌な人も出てくるし、辛い出来事もあるんですけど、終始、愛にあふれていました
出会えて良かった、そう思えた作品でした
抒情的な笠井あゆみ先生のイラスト
笠井先生のイラスト、特に目の表現が素晴らしかったです
眼差しから相手を大切に思う気持ちが、これでもかってぐらいに伝わってきました
特に、表紙!
猫2匹を抱くキースの眼差しが、熱くて哀しくて、アンドロイドのはずなのに、人間的でした
最後まで読んだ後で表紙を見ると、本当に、こみ上げてくるものがあります
美しい挿絵でした
切ない恋を読みたい方にオススメ
- 人間と、未来から来たアンドロイドのお話です
- 性別はもちろん、種族や時間、色々なものを越えて、相手を想う2人が健気でいじらしいです
- 切なくて苦しい、でも恋する2人が愛しい、そんな物語を読みたい方にオススメの作品です